雨漏り?天井や壁から水が漏れる場合、火災保険で補償されるのか?

はじめに
地震保険・火災保険ブログ

地震保険・火災保険申請サポートの業務を行っている【東北ホームリサーチ】と申します。
当ブログでは、地震保険と火災保険について一般の方にはあまり知られていない情報等を発信しております。

著者情報

東北ホームリサーチの調査員

保有資格:損害保険登録鑑定人
    :一級建築板金技能士

天井や壁から水が漏れるのは雨漏り以外にも様々な原因で起こる場合があります。弊社も火災保険申請サポートの業務を行っている中で「雨漏りは火災保険で補償されるのか?」等とよく聞かれる内容なので解説していきます。

雨漏り

結論から言いますと雨漏りがする場合、火災保険で補償される場合と補償されない場合があります。また天井や壁から水が垂れてくるとしても必ずしも雨漏りとは限らない場合もあります。

まずは火災保険で補償される例を挙げて、その後に雨漏りあるいは雨漏り以外の水が漏れる原因や対策等を説明していきます。

雨漏りで火災保険が補償される例

実を言うと雨漏りが火災保険で補償される例はそれ程多くありません。ではどの様な時に補償されるのかと言うと、自然災害が原因で外側から見て損傷があった場合等です。もう一つ重要なのが契約内容でどの自然災害が補償範囲となっているかです。

例えば落雷で屋根に穴が空いたとしても、契約内容で落雷での補償が無ければ当然下りません。まずは契約内容を確認する必要があります。
※火災保険の補償内容は証券に載っている場合が多いのでご確認下さい。

雨漏りした場合に火災保険で補償されやすい例
・落雷で屋根に穴が空いた。
・雹で屋根に穴が空いた。
・2階屋根からの落雪により1階の屋根が割れた。
・強風で物が飛んできて屋根や外壁が割れた。
・強風で屋根が剥がれた。
※例に挙げた自然災害が補償内容にあるという前提です。

一番重要なのは外側から見て損傷があるかどうかです。下りやすい例として、ある自然災害を境に雨漏りする様になった。こういった場合は大体損傷がある場合が多いので補償されやすくなります。

また地震で屋根が破損して雨漏りする様になった場合は、火災保険では補償されず、地震保険の補償範囲となりますが下りるかどうかは他の部分の損傷状況にもよってきます。

天井や壁から水が漏れる原因について

雨漏りとは言葉通りに雨の時に漏れてくるかどうかです。雨が降る度にほぼ漏れてくる様であれば雨漏りと言えますが、雨の時に漏れてこないで雪が積もった時に漏れてくるのは「すが漏り」と呼びます。この辺が少しややこしくなるので説明していきます。

すが漏りとは、簡単に言うと屋根に積もった雪が溶けて水になり、その水が凍ってダムの様に水がせき止められ、水溜まりになり、逃げ場の無くなった水が屋根の隙間等から漏れてくる事を言います。すが漏りに対してはほぼ火災保険を適用出来ないと思って下さい。ほとんどの屋根は水が一定量の高さを越えてしまうと、どうしても入ってくる構造となっています。

すが漏りの対策として

すが漏りになる原因は、屋根の熱で雪が溶けてまた凍る事です。つまり雪が溶けたらそのまま流れればよいのですが、何かしらの原因で水が流れないのでその原因を知る事が重要です。

すが漏りになる原因の例
・水が流れる所に障害物(雪止め、雨樋等)がある。
・室内の暖房が強くて屋根まで熱が伝わり雪が溶けてまたすぐに凍る。
・勾配が緩すぎる。(緩い勾配では不適切な屋根材を使用している可能性がある)
すが漏りになりやすい目安はつららが出来る家です。主な原因として屋根の表面の熱で雪が解けるからです。屋根の表面は外気温と一緒が理想ですが、暖房の効きすぎや断熱が甘いと屋根の表面温度が上がって屋根の表面から雪が解けてしまいます。
 
暖房
 
すが漏りの対策として家主が出来る事は暖房の調整くらいです。その他の原因は構造上の問題や設計上の問題、家を建てた場所の環境等が絡んでいる場合が多いです。
 
すが漏りが起こるのは必ずしも施工側の責任とは言い切れないのでご注意下さい。
屋根を葺き替える際は、修理業者にすが漏りする場合があった事を必ず伝えましょう。伝える事によって使用する屋根の種類や、勾配の変更や、断熱等の対策を打ってくれます。

結露の可能性もある

また天井から壁から水が漏れてくる原因としてもう一つ結露している可能性も有ります。結露は外気温と室内温度の差により起こります。これも主に暖房の効きすぎから起こります。結露が原因でクロス等が剥がれてきても火災保険ではほぼ補償されません。

結露の対策
・定期的に空気を入れ替える。
・エアコンやオイルヒーター等の水蒸気が出ない暖房器具を使用。
・除湿器を使用。
著者は屋根屋の経験もありますが、お客様が雨漏りと言っても実際にはすが漏りや結露だった、という事が結構ありました。
 
なので天井や壁から水が漏れてくからと言っても必ずしも雨漏りではなく、すが漏りや結露の可能性もある事を頭に入れておいて下さい。雨漏りの場合は強めの雨が降ってきた時に高確率で漏れてくるものだと思って下さい。雨の日以外でも漏れてくる様でしたらすが漏りや結露を疑って下さい。

雨漏りは屋根からか外壁からか

ここからは雨漏りしているという前提で話を進めていきます。

雨漏りする原因は屋根か外壁に何らかの損傷あるいは劣化がある場合です。雨漏りの原因を探すのは結構難しい場合があります。そこで重要なのは家主の説明です。どこにどんな時に漏れてくるのか業者に明確に伝えると原因解明の大きな手掛かりとなります。

業者に説明する時のポイント
・弱い雨でも漏れてくるのか?
・風が強い時の雨で漏れてくるのか?
・実際に漏れたシミ等を業者に見せる。
これらの状況を伝えて頂くだけでも大分助かります。弱い雨でも漏れる場合は屋根からの可能性が有り、風が強い時の雨で漏れる場合は外壁絡みの可能性があります。そして雨が漏れていると思われている部分を見てが損傷等があるかどうかを見る訳です。

雨漏りの原因

一番分かりやすいのは屋根や外壁が割れていたり、穴が空いていたりする事です。しかしこういったケースは割と稀で屋根にしろ外壁にしろ素材を繋ぐ為に切れ目がありますが、大体はこの部分から漏れる事が多いです。多くの場合はコーキング(シーリング)の劣化や素材の経年劣化による事が多いです。経年劣化が原因なら火災保険では補償されません。

原因がピンポイントで分かった場合はそれ程修理代は高くなりませんが、経年劣化で全体的に素材が傷んでいる場合は全面的に張り替えとなる場合が多いので割と高くなります。

水漏れに気付いたら早く業者に相談しましょう

雨漏り、すが漏り、結露等、天井や壁から水が漏れた事に気付いた場合は、放置せずになるべく早く業者に相談しましょう。放置した場合は内部に溜まった水により木や金属が腐食してしまう場合があります。この様になってしまうと修理代が更に高くなってしまいますし、家の強度も弱くなってしまいます。またカビが繁殖し、体にも悪影響を及ぼす場合もあります。

相談する時に特に重要となるのが先でも述べましたが「どこにどの様な時に漏れるのか?」という部分です。原因を特定しないと仮に屋根を全面葺き替えたとしても水漏れが直らない場合もあります。ここで注意しておきたいのは原因が分かったかどうか業者に確認する事です。

水漏れの原因は簡単に分からない事が結構あります。分からないなら分からないと言ってくれる業者の方がまだ良心的です。一番注意すべき事は原因が分かってもいないのに「屋根が古くなっているから葺き替えましょう」と言って葺き替えた所、水漏れが直らなかった場合等です。これでは依頼主にとっては目的が達成出来ずに無駄なお金を払っているだけになってしまいます。

もし業者が言った通りの工事を行っても直らなかった場合は最後まで責任を持ってもらいましょう。

まとめ

・雨漏りの場合、外側から見て自然災害が原因と思われる損傷が無いと火災保険はなかなか下りない。
・水漏れと言っても必ずしも雨漏りとは限らず、すが漏りや結露の可能性が有る。
・すが漏りや結露ではほぼ火災保険は下りない。
・暖房の使い方によって、すが漏りや結露の原因となる場合がある。
・水漏れに気付いたら業者に早く相談し原因が分かったかどうか確認する。
雨漏り、すが漏り、結露、いずれにしても建物を傷めてしまいます。気付いたらすぐに原因を知って対策して、大事な住宅を守りましょう!

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