宮城・福島等の地震多発エリアの方へ、地震保険を多くもらう為には?

はじめに
地震保険・火災保険ブログ

地震保険・火災保険申請サポートの業務を行っている【東北ホームリサーチ】と申します。
当ブログでは、地震保険と火災保険について一般の方にはあまり知られていない情報等を発信しております。

著者情報

東北ホームリサーチの調査員

保有資格:損害保険登録鑑定人
    :一級建築板金技能士

※本記事は地震保険について述べていますが、木造、鉄骨造の家屋所有者向けの内容です。

東日本大震災以降、地震保険の加入率が上がっている傾向がありますが、地震があっても実際に地震保険を申請する方は意外に少ないのが現状です。

本記事では地震保険についてあまり知られていない事実を述べていきます。また地震保険に加入している方がなるべく損をしない様に、うまく活用できる様にアドバイスもしていきます。

地震保険

地震保険は家の構造によって受け取りやすさに格差がある

地震保険は家の構造によって受け取りやすさが全然違います。ここで言う受け取りやすさとは家の耐震性とはまた違った意味なので、受け取りやすい構造だからと言って決して耐震性が弱いという意味ではありません。簡単に言うと構造によって基準が緩いか厳しいかです。

実際に、大した損傷に見えなくて多くもらえるパターンと、結構被害がある様に見えるけどあまりもらえないパターンがあります。これを決まるのは構造ごとに地震の被害として認定する場所が違うからです。

構造別の損害認定基準

建物は大きく分けて鉄筋コンリート造(RC造)、鉄骨造、木造がありますが、地震保険で言う主要構造部とされている部分に損傷があるかどうかと、その度合と保険金額によって支払い額が決められます。

・保険金額(証券をご確認下さい)
・主要構造部の損傷の度合いによって4段階に分類
一部損5% 小半損30% 大半損60% 全損100%
例 保険金額1,000万円の場合
一部損50万円 小半損300万円 大半損600万円 全損1,000万円

構造別の主要構造部

在来工法 :基礎、屋根、柱、外壁
枠組壁工法:基礎、屋根、1階部分の内壁、1階部分の外壁
鉄骨造  :外壁、建具

※鉄筋コンクリート造は割愛します。

枠組壁工法とは:2×4(ツーバイフォー)工法、2×6(ツーバイシックス)工法、木質パネル工法、木造プレハブ工法等
建具とは   :開口部に設けられた窓、ドア、戸等の総称

まずはご自身の家の構造に対して主要構造部を把握しておくと申請出来そうか出来なそうか、ある程度は分かる様になっていきます。

また、地震保険の受け取りやすさは構造別に格差があります。
結論から言いますと受け取りやすさの順位は、鉄骨造<在来工法<枠組壁工法となります。

構造別で損害認定基準を把握して頂く目的として、基準とされている以上、主要構造部に損傷が無いと下りなくても仕方が無い場合がありますので、そういった事を受け入れて頂く為です。

では受け取りづらい順から個々に説明していきます。

鉄骨造(軽量鉄骨造含む)

なぜ鉄骨造が受け取りにくいかと言うと、木造と比べれば分かると思いますが、主要構造部の中に基礎が入っていません。戸建ての鉄骨造(軽量鉄骨造)は基本的には基礎があります。にも関わらず基礎にひび等の損傷があっても地震保険の査定にはほぼ入りません。また、比較的損傷が出やすい内壁も入ってないので査定としては結構不利です。

家に住んでいる方は、地震で損傷があった場合気付くのは外より中です。よく「家に結構ひびが入ったのに地震保険が下りなかった」という事を聞きますが、ほとんどの場合は大体こういった理由です。

鉄骨造の場合は外壁にある程度ひびが入っていたり、ドアや窓等の建付けが悪くなったりしない限りなかなか下りません。ただし、鉄骨造だからと言って悪い事ばかりではなく、保険料が木造と比べて相対的に安くなるというメリットもあります。

鑑定人によっては基礎も外壁の一部とみなし損傷としてカウントしてくれる人もいますが、ごく一部の方だけです。地震保険はあらかじめ損害認定基準が設けられていますが、査定の仕方は鑑定人によって割と差がでます。

在来工法

在来工法は鉄骨造と比べるとかなり受け取りやすくなります。その理由として主要構造部に基礎も含まれるからです。在来工法の場合だと一部損までなら割と受け取りやすいと言えます。ただしその上のランクの小半損となるとなかなか厳しくなります。

その理由として在来工法の場合だとが一番ポイントが高いからです。

えっ?私の家は在来工法だけど柱なんて見えないけど?

良い指摘ですね。そうです、今の家はほとんど柱を隠しています。

つまり在来工法のほとんどは、柱の損傷が一番ポイントが高いのにも関わらず目視出来なくて査定出来ないというのが現状です。実質ほぼ基礎と外壁と屋根だけで査定しています。

鑑定人によっては内壁の損傷状態から柱の損傷としてカウントしてくれる方もいますが、ごくごく一部です。

木造枠組壁工法(ツーバイ工法)

木造枠組壁工法という言葉はあまりなじみが無いと思いますので以降「ツーバイ工法」と表記させて頂きます。

ツーバイ工法がなぜ一番地震保険を受け取りやすいかと言うと
・外壁は1階部分のみの査定となる為、在来工法よりも分母が小さい
・内壁が一番ポイントが高いが目視出来る
・主要構造部となる外壁と内壁は1階のみなので査定もしやすい(損傷を見つけやすい)

ツーバイ工法の場合だと、基礎、外壁、屋根に全く損傷が無くても内壁の損傷だけで小半損以上になる場合もあります。なので外観上では建物がキレイで、地震で被害がある様に見えなくても小半損と認定される事は割とあります。

ただし内壁の損傷は一般の方ではなかなか見つけづらいです。
鑑定人でも在来工法かツーバイ工法かの見分けが出来ない方が結構いるので、自分の家がツーバイ工法なら、鑑定の時は必ず「枠組壁工法(ツーバイ工法)です」と言いましょう。在来工法として査定されると小さく判定される場合があります!!

地震保険をもらいやすくする為には

構造によって地震保険の受け取りやすさに格差があるのはご理解して頂けたとは思いますが、こればかりはどうにもならないと思いますので、これからは地震保険を受け取りやすくする方法を紹介していきます。どちらかと言うと、一度に多くもらえる様にするのではなく、受け取れる確率を上げて、なるべくもらえる回数を増やす方法となります。

まずこれだけは必ず知って頂きたい事があります。

  1. 地震保険は何回でも申請出来る
  2. 認定された損傷は次回からはカウント出来ない(修繕すれば可)
  3. 震度4以上の地震で申請する
  4. 保険金を受け取っても値上がりはしない(自動車保険の様な等級はありません)

これらを知っておけば地震保険を上手く活用出来る様になります。

主要構造部の周りになるべく物を置かない

地震保険をもらう様にする為には主要構造部に損傷があるかどうかです。つまり目視出来る状態にしておかないともらえる物ももらえません。申請の方法は、書類申請(写真を自分で撮る)の場合と鑑定人が直接見に来る2パターンがありますが、いずれにしても損傷を探すのは人間です。例えば基礎の周りに植木鉢がずらっと並んでいたり、草がボーボー生えていたらどうでしょうか?やはり損傷を見逃す可能性も高くなってしまいます。

普段主要構造部の周りに物を置いている方は申請をする時だけでもいいので動かせる物はなるべく動かしておいた方が良いでしょう。

申請した時に認定された損傷の記録を残す

地震保険は同じ損傷では再度申請出来ない(全面的に修繕した場合は出来ます)ので、申請した時に建物のどの部分に損傷があったのか把握しておいた方がいいです。基本的には保険会社も記録を残していくので、2回目以降の申請では更に損傷が増えているかどうかで下りるか下りないかが決まります。

一度地震保険を申請した方が二回目以降は申請しないという理由で一番多いのは、家主が地震で損傷が増えたのかどうか分からないからです。

損傷した主要構造部を修繕する

大きめの地震が何度もくると、損傷が多くなりどこがいつの地震の損傷なのか分からなくなります。あまりにも損傷が多いと感じたら直す事をお勧めします。一番良いのは家を全体的に修繕する事ですが、そうするとそれなりにお金がかかるので、主要構造部の部分的な修繕を行うだけでもある程度は受け取りやすくなります。

例えばツーバイ工法の場合だと外壁と内壁は1階部分しか見ないので1階部分だけ修繕する。木造住宅の場合は基礎だけを修繕する等。

直す事によって古い損傷か新しい損傷の見分けが付きけやすくなるので認定されやすくなります。出来ればビフォーアフターの写真なんかがあると尚良しです。

地震が起きてからなるべく早めに申請する

緊急地震速報、震度5強

これが一番重要だと言っても過言ではありません。地震保険は地震が起こってから3年以内であれば申請出来ますが、時が経てば経つほど認定されづらくなります。その理由として時が経ってしまうと新しい損傷なのか古い損傷なのか見分けが付きづらくなるからです。

もう一つの理由として地震はいつ来るのか分かりません。宮城県の例で言うと2021年に2月13日(福島県沖地震)、3月20日(宮城県沖地震)、5月1日(宮城県沖の地震)と短期間の間に3回も大きめの地震が来てしまいました。

申請を5月以降にした方は1回分しかもらえません。その一方、地震の直後に申請した方の中には3回もらう事が出来た例もあります。こういった理由で地震が来てからすぐに申請する事をお勧めします。

また余談ですが、早く申請する事によって家財保険にも加入している方は家財保険も受け取りやすくなります。食器が崩れた様子や、家電等が倒れた様子の写真は撮っておくとよいでしょう。

家財保険は物が壊れていなくても倒れたり、傷が付いたりするだけで認定される場合もありますので建物と一緒に申請する事をお勧めします。鑑定の場合、鑑定人に伝えるとスムーズに認定される場合があります。

途中加入の場合は地震保険が下りづらい?

地震保険を一番受け取りづらいパターンが、既に損傷がある状態の家の途中加入です。弊社は宮城県仙台市にありますが、宮城県にはこの様な方がたくさんいらっしゃいます。宮城県は元々(東日本大震災前から)地震保険の加入率が全国で比べても高かったのですが、そうは言っても震災時はまだまだ未加入の方はたくさんいました。そしていざ東日本大震災が直撃し、加入してなくて後悔した方が震災後に加入し、更に加入率が高くなった感じです。

途中加入の場合だと、先に述べた通り古い損傷か新しい損傷か見分けが付きづらい為なかなか下りないのが現状です。

途中加入で下りやすくする為に

ではどうすれば途中加入でも下りやすくなるかと言うと

・分かっている損傷を直しておく
先に述べた事と重複しますが、一番良いのは全面的に修繕する事です。しかし予算の都合もあると思いますので、あまりお金をかけたくない方は、ピンポイントで塗って部分補修する事をお勧めします。
こうすれば多少は受け取りやすくなります。認定のポイントは新しい損傷か古い損傷かの見分けなので、塗っていない所に損傷があれば新しい損傷だと特定しやすくなります。
・申請して記録を残してもらう
本来なら途中加入の場合は保険会社が一度建物を見て損傷状態を管理してくるのが一番良いのですが、現実的に無理なのでそこまでは行っておりません。
なので震度4程度の地震がきたら一度申請する事をお勧めします。こうする事によって保険会社に記録が残り次回から受け取りやすくなります。もちろん一度目の申請で下りる事もありますが、記録を残す目的として下りないものだと思って、割り切って申請した方が精神的にも良いでしょう。

まとめ

・地震保険は構造によって主要構造部が異なるのでご自身で把握しておく
・申請する時は主要構造部のそばに物を置かない
・申請した時に認定された損傷の記録を残す
・地震の損傷が多くなってきたら主要構造部を修繕する
・地震が来たら早く申請をする

これらを知っておいて実行すれば地震保険をより多くもらえる可能性が高くなります。しかしながら特に「申請した時に認定された損傷の記録を残す」という部分等はなかかな実行出来ないと思います。また、主要構造部の損傷を探す事も一般の方では難しい部分でもあります。弊社ではそういった一般の方が行うのには難しい部分を全面的にサポートしております。

弊社が行っている地震保険・火災保険申請サポートは、この記事で書いてある事や記事では書けない内容までアドバイスしており、お客様がなるべく多くの保険金を受け取れる様に心掛けております。

併せてこちらの記事「青森・岩手で地震保険を申請する方(申請した方)が知って得する事」もお読み下さい。申請について詳しく書いてあります。
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