火災保険・地震保険が下りる例と下りない例!補償内容を理解しよう!

はじめに
地震保険・火災保険ブログ

地震保険・火災保険申請サポートの業務を行っている【東北ホームリサーチ】と申します。
当ブログでは、地震保険と火災保険について一般の方にはあまり知られていない情報等を発信しております。

著者情報

東北ホームリサーチの調査員

保有資格:損害保険登録鑑定人
    :一級建築板金技能士

火災保険と地震保険の補償内容は分かりづらい点が多いので本記事で解説します。まず名前だけ聞いた場合、多くの方は火災保険は火災の時に被害があれば適用出来る、地震保険は地震の時に被害があれば適用出来ると思うでしょう。これは間違いではありませんが、この程度の認識ではせっかく保険を掛けているのにも関わらず申請機会を逃して損してしまう場合があります。

地震、火災、水災、落雷、衝突、風災

また、火災あるいは地震で建物等に被害が出たにも関わらず加入している保険の対象外という事もあり得ます。火災保険、地震保険は決められた条件内や範囲内の事故でないと補償されないので、誤認識されやすい部分も説明していきます。

さらに火災保険には建物の補償と家財の補償が有りこれもまたややこしくなります。本記事では火災保険と地震保険の補償内容に対して「これだけは知っておきたい」という部分のポイントを絞って解説してきます。

火災保険は家財のみの加入も可能ですが一戸建て住宅の所有者の場合、住宅ローンの条件上、火災保険(建物)には加入している方が多いので、本記事では火災保険(建物)を加入しているという前提で話を進めていきます。

用語の説明(保険金、保険料、保険金額)

保険について少しややこし用語を説明します。保険料、保険金、保険金額についてです。これらは似たような言葉ですが意味が全然違います。今後これらの用語を多用するので下記にて意味をご確認下さい。

保険金 :保険会社から契約者に支払われるお金
保険料 :契約者が保険会社に支払うお金
保険金額:一度の事故で最大で支払われる保険金の額

火災保険(建物)の補償について

火災保険は原則として焼け太り出来ない様になっています。例えば2,000万円の家の場合は保険会社に2社加入しても保険金額は4,000万円にはならずに2,000万円になります。なので火災保険の複数加入は手間が増えデメリットの方が多くなるので1社に絞る事をお勧めします。また、建物と家財を違う保険会社にする事も出来ますがこちらも補償内容の把握が難しくなるので1社に絞る事をお勧めします。

保険会社が取り扱う火災保険(建物)は火災だけではなく自然災害等も対象になります。ほとんどの火災保険は風害、雹害、雪害は対象になっています。その他の補償内容では、破裂、爆発、落雷、水害、水濡れ、外部からの衝突、盗難、汚損・破損(不測かつ突発的な事故)等があります。補償内容が多い程保険料も高くなります。

※火災保険の補償内容につきましては契約プランによって異なるのでどこからどこまで補償されているのかは証券でご確認下さい。

自然災害でも地震・噴火これらの原因による津波は火災保険では適用出来ません。これらは地震保険の適用範囲になります。こちらに関しては後述します。

意外に知られていない事ですが火災保険(建物)の補償範囲は家屋だけでなく敷地内の建築物も対象になります。具体的に言うと敷地を塀で囲んでいるのなら塀も火災保険の補償範囲内の事故で破損した場合は対象になります。その他に、物置、カーポート、門、ウッドデッキ等も対象になります。

また、建物(建築物)だけでなく設備等も対象になります。例えば風呂、洗面台、台所、エレベーター、外灯、雨樋、アンテナ等も対象になります。この辺は少し曖昧で建物の分類か家財の分類の線引きが難しくなる場合がありますが原則として備え付けの物、建物と一体化している物は、ほぼ火災保険(建物)の対象になるという感じで覚えておくとよいでしょう。
※実際に被害があった場合は建物か家財のどちらに分類されるのかは保険会社にご確認下さい。

つまり契約しているプランの補償内容の事故であれば、敷地内にある建物等がその事故の影響で壊れた場合は火災保険(建物)でほぼ適用出来るという事になります。

火災保険(家財)の補償について

火災保険(建物)の補償範囲は敷地内と広かったのですが、火災保険(家財)は原則として建物の中に収容している動産(食器類、衣類、家具、家電等)に限定されます。※特約の例外はあります。

例えばテレビが家の中にあって、強風の飛来物により窓が割れてテレビに直撃して壊れた場合は対象になりますが、テレビを外に置いた状態で同じ様に壊れても対象になりません。補償内容につきましては建物と家財の保険会社が同じなら、基本的には火災保険(建物)と同じになります。

 

家財の例(ベッド、テレビ、ソファー、タンス、テーブル)

家財の保険金額の設定は契約者が設定出来ますが目安として建物の半分位に設定している方が多いです。例えば火災保険(建物)の保険金額が2,000万円の場合、1,000万円位に設定している方が多いです。

地震保険(建物)の補償について

地震保険は単独で加入する事が出来ません。火災保険を加入すると基本的には地震保険も付帯されますが、強制ではないので付帯するかしないかは契約者が決められます。また保険金額は火災保険の最大50%(特約の例外も有り)までしか掛けられません。例えば火災保険(建物)の保険金額が2,000万円ならば地震保険(建物)は最大で1,000万円までとなります。

補足すると地震保険(建物)の保険金額は、火災保険(建物)の保険金額から30~50%まで設定出来ます。地震保険(建物)の保険金額の上限は5,000万円までとなります。例として1憶2,000万円の家の場合は最大でも5,000万円となります。

火災保険(建物)は敷地内が対象範囲でしたが地震保険(建物)の場合は家屋のみとなります。例えば地震で塀が崩れたり、物置が倒れて壊れたとしても対象になりません。

地震保険(建物)で保険金が下りる例として、地震の揺れによる建物の損害、地震の影響による火災、噴火での火災、地震または噴火の影響での津波による建物の損害です。火災保険には火災、水災の補償もありますが、火災と言っても地震の影響による火災と噴火での火災の場合は、地震保険に加入していないと保険金は下りません。同様に津波で床上浸水したとしても地震保険に加入していないと保険金は下りません。

例 火災保険(建物)の保険金額2,000万円、地震保険(建物)の保険金額1,000万円の場合
・噴火による火災で全焼した場合⇒支払われる保険金は1,000万円
・一般的な火災で全焼した場合⇒支払われる保険金は2,000万円
※火災保険から支払われる保険金は実際にはもっと複雑ですが本記事では割愛させて頂きます。
この様に地震保険は火災保険と比べると支払われる保険金は少なくなりますが、火災保険では補償されない地震に関わる災害に対応しています。
また修理代金ではなく損害状況により4段階【一部損(5%)、小半損(30%)、大半損(60%)、全損(100%)】に分けられて支払われます。この4段階は地震保険(家財)も同様です。

※地震保険の保険金額を火災保険の保険金額に対して最大100%まで設定出来る特約もありますが、数社しか取り扱っていません。
 
火災保険の詳細はこちらの記事「火災保険の補償内容は住んでいる地域・環境で考えるべき
地震保険の詳細はこちらの記事「宮城・福島等の地震多発エリアの方へ、地震保険を多くもらう為には?」もご覧下さい。

地震保険(家財)の補償について

地震保険(家財)も火災保険(家財)と同様に建物の中にある場合に適用されます。また地震保険(建物)と同様に地震、津波、噴火が対象になります。保険金額は火災保険(家財)の最大で50%までしか掛けられません。例えば火災保険(家財)の保険金額が1,000万円の場合、地震保険(家財)は最大で500万円までとなります。

補足すると地震保険(家財)の保険金額は、火災保険(家財)の保険金額から30~50%まで設定出来ます。地震保険(家財)の保険金額の上限は1,000万円までとなります。例として火災保険(家財)が3,000万円だとしても最大で1,000万円となります。

地震保険(家財)は地震が起こってから早めに申請すると割と下りやすくなります。また、壊れていなくても落ちて傷が付いたりするだけで認定される場合もあります。地震で物が崩れたりした場合は写真を撮っておくとより認定されやすくなります。

地震保険(家財)は特に申請をしない人が多いので、もし加入しているのならなるべく申請する事をお勧めします。建物の申請と同時に行うとほぼ鑑定人が来るので、口頭で被害状況を説明するだけで下りる場合もあるので、申請のし忘れが無い様にしましょう。

誤認識されやすい例のまとめ

ここまで補償内容、補償範囲に対して説明してきましたが、ポイントを整理します。

・火災保険(建物)⇒火災、自然災害(地震、噴火、津波以外)等の原因で敷地内の建築物、設備等が被害にあった場合対象。
・火災保険(家財)⇒火災保険(建物)の補償内容の事故で、建物内に収容された家財が被害にあった場合対象。
・地震保険(建物)⇒地震、噴火、津波、地震の影響での火災等の原因で家屋が被害にあった場合対象。
・地震保険(家財)⇒地震保険(建物)対象の事故で、建物内に収容された家財が被害にあった場合対象。
 

誤認識されやすい例のまとめ

「火災保険は火災の時しか使えない」⇒大抵は自然災害(地震以外)も対象になっているので詳しい補償内容証券でご確認下さい。

「火災保険に入っていれば火事は何でも補償される」⇒地震が原因での火災、噴火での火災は、火災保険の加入だけでは補償されません。地震保険の補償内容になります。

「地震保険(建物)に入っていれば地震で塀や門が壊れても補償される」⇒地震保険(建物)は家屋に被害が無いと補償されません。つまりこのケースは火災保険(建物)も地震保険(建物)も対象外になります。

「地震保険(建物)に入っていれば修理代はある程度カバー出来る」⇒地震保険は保険金額に対して4段階の支払いパターンしかありません。ほとんどの場合は修理代金より少ない金額が支払われます。

「火災保険に水災の補償を付けたから津波でも補償される」⇒津波は地震保険の補償となるのでこのケースは地震保険に加入していれば補償されますが、地震保険に加入していないと補償されません。

弊社が地震・火災保険申請サポートの業務を行っている中で特に誤認識されている内容をまとめてみました。火災保険、地震保険の補償内容、補償範囲を正しく理解して有効活用しましょう。

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