地震保険請求のコツと良い鑑定人、悪い鑑定人の見分け方

はじめに
地震保険・火災保険ブログ

地震保険・火災保険申請サポートの業務を行っている【東北ホームリサーチ】と申します。
当ブログでは、地震保険と火災保険について一般の方にはあまり知られていない情報等を発信しております。

著者情報

東北ホームリサーチの調査員

保有資格:損害保険登録鑑定人
    :一級建築板金技能士

東日本大震災以降、地震保険の加入率は上がっている傾向がありますが、まだ一度も地震保険を請求した事が無い方は多いのではないでしょうか?

本記事では地震保険をまだ一度も請求した事が無い方の為に、過去に請求をした事あるけど下りなかった方の為に、地震保険請求の仕方とコツを紹介していきます。
※一戸建て住宅で構造が木造、鉄骨造を対象とした内容です。

地震保険の基本的な事につきましてこちらの記事「宮城・福島等の地震多発エリアの方へ、地震保険を多くもらう為には?」もご覧下さい。

請求する為には主要構造部の損傷を探す事から

地震保険は建物に地震の影響での被害が無ければ下りません。請求するにあたってはまずはご自分で建物に損傷があるかどうかを探す必要があります。ここで重要なのはとにかく家のどこでも損傷があればよいという訳ではありません。

外壁のヒビ

地震保険には損害認定基準という物があって地震保険で言う主要構造部とされる部分に損害が無いと基本的には下りません。主要構造部は家の構造ごとによって違いがあるので個別に説明していきます。申請するにあたってはご自身の家がどの構造に属するかを知っておく必要があります。

構造が分からない方はハウスメーカー等に問い合わせると良いでしょう。

木造軸組工法(在来工法)の主要構造部について

木造住宅は大きく分けると木造軸組工法(在来工法)と木造枠組壁工法の2種類になります。木造住宅の8割位を占める構造が木造軸組工法ですが以下在来工法と呼ばせて頂きます。木造枠組壁工法については後述します。

在来工法は簡単に言うと柱で支えている家です。地震保険の主要構造部は基礎、外壁、柱、屋根となります。これらの中でどこか地震の影響によるヒビ等の損傷が見つかれば下りる可能性があります。

損傷としてのポイントが高い順だと、柱>基礎>外壁>屋根となります。ただし今の家は大壁(柱を隠す壁)が主流となっているので見えない事が多いので在来工法で大壁の場合は地震保険の査定においては木造枠組壁工法と比べて不利と言えます。

良い鑑定人の場合は、家の中まで調査を行い内壁の損傷状況から柱が損傷していると推定しカウントしてくれる人もいますが、悪い鑑定人だと大壁だと分かっている時点で家の中まで調査しない者もいます。

木造枠組壁工法(ツーバイ工法)の主要構造部について

木造枠組壁工法は壁で支える構造です。木造枠組壁工法に属する工法として主に2×4(ツーバイフォー)工法、2×6(ツーバイシックス)工法、木質パネル工法、木造プレハブ工法等があります。以下ツーバイ工法と呼ばせて頂きます。

ツーバイ工法の主要構造部は、基礎、1階の外壁、1階の内壁、屋根となります。在来工法と比べると外壁は1階のみが対象になる事と、内壁も1階のみ(在来工法の柱はすべての階が対象)となります。

これらの中で損傷が見つかれば下りる可能性があります。

鉄骨造(軽量鉄骨造)の主要構造部について

一戸建ての鉄骨造は軽量鉄骨造なので以下軽量鉄骨造と呼ばせて頂きます。軽量鉄骨造の主要構造部は外壁と建具となります。建具とは窓やドア等の開口部の総称です。

建具の損傷はどういった事かと言うと窓やドアの建て付けが悪くなった場合です。開け閉めが固くなったり異音が鳴る様になったりすると損傷としてみなされる場合があります。

木造住宅と比べると主要構造部そのものが少なくなっています。また基礎が主要構造部に含まれていないので、基礎にヒビがあっても損傷とならないパターンが多いですが、鑑定人によっては基礎を外壁の一部とみなし損傷のポイントとしてカウントしてくれる人もいます。

損傷を探せなかったら申請サポートを利用するのもアリ

地震保険は建物にそれなりの損傷がなければ下りないと思われがちですがそんな事はありません。特に木造住宅の場合だと一般の方では探すのが困難な小さな損傷で下りる事がかなりあります。

なので地震の後にご自分で見て損害が無いと判断して申請をしなかったら、もしかして本来ならもらえてた筈の地震保険をもらい損ねている可能性があります。

やはり地震保険の請求で一番ハードルが高いのは損傷を探せるかどうか?という部分です。弊社ではお客様が自分で見て探せなかった損傷を探して下りた例がかなりあります。

建ててからそれ程年数が経っていない家、パッと見てどこも損傷が無い様に見える家でも、もしかしたら弊社が調査する事によって地震保険を受け取れるかもしれません。
調査費無料で完全成功報酬型で行っているので↓にて詳細をご覧下さい。

申請サポート詳細

電話申請のコツ

地震保険を請求するに方法は主に電話かネットになりますが、なるべく電話で申請する事をお勧めします。理由は自分の意思を伝えられる点です。どの電話番号にかけてよいのか迷うと思いますが、事故受付センターにかけます。大抵は証券に記載されているので証券で確認しましょう。もしくはネットで「保険会社名 火災保険 事故受付センター」等でも調べられます。

これから電話申請の流れを説明します。

準備しておく物
⇒証券(請求する地震の期間内の証券が望ましいですが、もし見つからないのなら期間外でも可能です)
聞かれる事
⇒名前、住所、証券番号、いつの地震の損害か、家のどこに被害を受けたのか等。
申請方法の例を会話形式で紹介します。
契約者   :保険契約をしている〇〇と申しますが、地震の影響で建物に被害が出たので申請をお願いします。
オペレーター:名前、証券番号、ご住所等を教えて下さい。
契約者   :回答(省略)
オペレーター:いつの地震の被害ですか?
契約者   :〇月〇日の地震です。
オペレーター:どこに被害がありますか?
契約者   :〇〇と〇〇に被害がある
電話申請は大体この様な流れになります。電話申請のコツとしては、会話をしている中で「出来れば建物を直接見に来て欲しい」という意思を伝えましょう。オペレーターが「担当者から折り返し電話します」という場合と「書類を送ります」という場合があります。前者の場合は大体鑑定になるので問題無いですが、後者の場合は一般の方が行うと難しいので「書類はよく分からないかとにかく見に来て欲しい」と伝えれば鑑定に来てくれる場合があります。

良い鑑定人、悪い鑑定人の見分け方

おそらく鑑定日の時に図面を求められるので、図面が有れば用意しておきましょう。

地震保険の鑑定人

鑑定の場合は来る鑑定人によってかなり差が出る場合があります。詳しくは、こちらの記事「火災保険・地震保険の査定は保険会社によって差があるの?」を参照して下さい。ただ、一般の方が行う書類申請よりは下りる可能性は上がります。

鑑定日当日は鑑定人がまず図面を確認して写真を撮ります。この段階で注意すべき点は、ご自分の家の構造を伝えましょう。良い鑑定人の場合は図面を見た段階で「〇〇構造ですね?」という感じで確認してきますが、悪い鑑定人だと勝手に構造を決めつけて、間違った主要構造部を査定する場合があります。

構造を鑑定人が勘違いしたまま査定を行うと下りる筈の保険金が下りない場合があります。これは本当にあった事なので専門の人が来るから大丈夫だと思っていると損する場合があります。

査定時のコツと注意点

ほとんどの鑑定人は「私が調査しますので終わったら声をかけます」という感じで言ってきます。良い鑑定人の場合は丸投げでもしっかり見て適正な査定を行いますが、悪い鑑定人の場合だとサッと見てすぐに終わる場合があります。なので、査定時のコツとしてはご自身が分かっている損傷はあらかじめ伝えておく事です。

申請者自身が被害認識がある事が分かると大抵の鑑定人はしっかり見る様になります。もし不安なら鑑定人の後ろに付いて査定の様子を見るのも一つの方法です。

新しい家、あるいはキレイな家ほど査定が早く終わる傾向があります。あまりにも早く終わるとしっかり見てない、あるいは損傷を見落としている可能性があるので、こういった場合は要注意です。

査定が終わって鑑定人と話をする時のコツと注意点

良い鑑定人の場合はある程度家の損傷状況等を伝えてくれますが、悪い鑑定人の場合だと状況を全く伝えずに「結果は後日連絡します」等と言います。こういった場合だと下りない場合や、思ったよりも小さな判定の場合が結構あります。

なので鑑定人と話をする時のコツとしては「家のどんな所に損傷があったのか?」「何ヵ所損傷があったのか?」「保険金は下りそうなのか?」等と聞いておいた方が無難です。全部は答えてくれない場合もありますが、こういった質問をする事によって、少し汚い言葉を使いますが舐められなくなります。地震保険は損傷が弱い場合や舐められると無責(受取額0円)と判定される場合があります。

ほとんどの鑑定人はその日に結果を伝えずに後日連絡となりますが、ここでコツとしては「いつ位に連絡をもらえるのか?」と確認しておいた方が良いです。この様に釘を刺す事によって舐められなくなり、なるべく早く連絡をくれる様になります。

悪い鑑定人は格好や所持品で分かる

地震保険の査定は割と汚れる場合があります。家の周りには草木があったり、基礎を見る為に屈みこむ場合等もあります。それにも関わらず作業着で来ない鑑定人は要注意です。

もちろん鑑定会社の方針もあるでしょうが、例えば白いワイシャツとスラックスの小綺麗な格好をした鑑定人が草木を潜り込んだり、ウッドデッキの下にある基礎を見る為に屈みこむ事が想像出来るでしょうか?しっかりと査定する為には汚れる事を想定した格好で来ないと満足に仕事を行えない筈です。

また、ライトを持ってこない鑑定人も要注意です。弊社も調査する立場だからこそ分かる事ですが、調査を行うにあたってライトは必需品です。基礎が影になっている場合もあれば家の中が暗い場合もあります。この様な場合はライトが無いと損傷を満足に探す事など出来ません。

これらの理由から作業着で来ない、ライトを持たない鑑定人は損傷を見逃している可能性がかなり高いです。

鑑定人の言動に対して不信感を抱いて査定結果に納得がいかない場合は再申請も可能です。ただし根拠の無い再申請はお勧めしません。再申請の詳細につきましてはこちらの記事「山形県の方は地震保険を申請して損は無し!下りる可能性があります!」を参照して下さい。

請求のコツは被害認識がある事と毅然とした態度

地震保険を請求するにあたって一番駄目なのは、申請者自身に被害認識が無く、地震でなんとなく家が揺れて被害がありそうだから鑑定人におまかせ、というパターンです。

やはり保険会社や鑑定会社も被害がある家に対しては保険金を下ろしますが、「ただ単に見に来て欲しい」という申請だと電話申請で断られる可能性もありますし、鑑定に来たとしても本人に被害認識が無いから適当に見られる可能性もあります。

地震保険の場合は来る鑑定人によって査定結果に結構差が出ます。良い鑑定人の場合は何も問題ありませんが、悪い鑑定人の場合はやはり申請者自身の行いも重要になってきます。

地震保険だけに限った話ではありませんが保険金請求にあたって一番重要なのは申請者自身に被害認識があって「被害にあったんだから保険金はもらって当然だ」と思う事です。それと保険に対しての基本的な知識もあった方が良いです。

これらを掛け合わせる事によってもし悪い鑑定人に当たったとしても、間違った事を言っていれば指摘出来ますし、しっかりと見てないと感じた場合は「ここにヒビがあるけどしっかり見てくれた?」等と言えます。

地震保険請求のコツとして、被害認識がある事が保険会社側に伝わる事と毅然とした態度が特に重要だと言えます。

 

 

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